- スポーツ内科
- このような方が受診しています
- 主な症状
- 当院のスポーツ内科の4つの特徴
- スポーツ障害
- スポーツ貧血
- スポーツ喘息
- オーバートレーニング症候群
- 睡眠障害
- 疲労骨折・骨粗しょう症
- 相対的エネルギー不足
- アスリートの無月経
- スポーツ総合診療
- 代表的なスポーツ内科疾患
- よくあるご質問
スポーツ内科
スポーツ内科は、アスリートから愛好者、小児から高齢者まで、スポーツに携わる全ての方々を対象としています。
健康管理やパフォーマンス向上を目的とした診療のみではなく、疾患を持ちながら治療としてレクリエーションとしてスポーツを行うことを目的とした診療、スポーツを行うことで生じるスポーツ障害の早期発見や治療などを行う診療科です。過度な運動負荷や不十分な栄養、休息のバランスが崩れることで様々な問題が生じ、貧血や不整脈、無月経などが発生することがあります。また、パフォーマンスの低下や体調不良の背後には重篤な病気が隠れている場合もあります。
例えばオーバートレーニング症候群は、気力が低下したりパフォーマンスが低下するなどの症状が生じる状態をさし、極端な運動負荷により肉体的・精神的な疲労が蓄積することで現れると思われていて、治療は運動を中止し休養することが求められます。しかし、その背後には不整脈や貧血など治療可能な内科的疾患が隠れている場合があります。その場合はオーバートレーニング症候群ではなく、練習を休んでも改善しないのでその疾患の治療を行う必要があります。パフォーマンスの低下は病気のかかり始めの場合がありますので、心当たりのある場合は外来にてご相談ください。
スポーツ内科外来では中高生の部活動からプロアスリート、マスターズの選手、趣味で運動をしている方まで様々な年代・競技レベルのアスリートが受診し、問診、身体診察、検査を経て、スポーツ内科的な問題を診断し、適切な治療を提供しています。
このような方が受診しています
様々な競技やレベルのアスリートがスポーツ内科を受診しています。最も多いのは中高生の部活動に参加しているアスリートですが、小学生からプロアスリート、マスターズの選手、趣味でスポーツを行っている方にいたるまで、幅広い年代で受診が見られます。問診、身体診察、検査(血液検査や肺機能検査など)などを通じて、アスリートのスポーツ内科的な問題を診断し、適切な治療を提供します。
主な受診者の中で、スポーツ貧血、運動誘発性喘息、無月経が特に顕著であり、これらの疾患に悩んでいるアスリートが多くいます。
主な症状
- 動悸(心臓の鼓動感)
- 疲れやすい・疲れがなかなか取れない
- 立ちくらみ・貧血
- 運動時の胸痛
- 運動時の腹痛
- 息切れや息苦しさ
- 無月経や月経不順
- パフォーマンスの低下、記録が伸びない
- 筋肉のけいれんや力が入らない感覚
- 以前にできていたことができない
日常生活では異常がなくてもスポーツをすることで症状がでるときはまずはスポーツ内科として当院にご相談いただければと思います。
当院のスポーツ内科の4つの特徴
多くの日本代表選手の診療を行ってきたスポーツ内科専門ドクターによる診断
当院では国立スポーツ科学センターや日本オリンピック委員会などで、日本代表のトップアスリートの診療経験豊富なスポーツ内科専門の医師が診断、治療を行います。通常の内科外来ではスポーツの制限や中止を指示される場合も、スポーツ内科的には適切な治療を行えば運動制限の必要なく思う存分スポーツを行うことが可能な場合が数多くあります。当院の外来にてご相談ください。
スポーツ科学研究者として、トップアスリートとして、指導者として様々な目線でアドバイスを行います
当院の医師は自身もトライアスリートであり全国年間ランキングで年代別トップ5を複数回経験、フルマラソン2時間50分で走るトップエイジアスリートでもあります。また、中高生の水球部コーチを10年以上経験していたり、スポーツ科学博士を持つスポーツ科学研究者でもあることから、医学的な面以外にも様々な目線でスポーツを行う患者さんへアドバイスを行うことができます。
管理栄養士による栄養相談・外来・サポート
スポーツ内科疾患の予防や治療において、正しい栄養摂取は不可欠です。当院には管理栄養士が在籍し、医師との協力のもと、適切な栄養アドバイスとサポートを提供します。
オンライン診療にも対応
スポーツ内科ではオンライン診療にも対応しています。日本ではスポーツ内科はまだまだ一般的ではなく、疾患とスポーツを合わせて考えた診療を行う整形外科以外の医師は非常に少ないのが現状です。何年も一般的な内科に通院してよくならなかった方が、遠方から受診され改善することは数多くあります。しかし、遠方のためその後の通院が困難になるケースがあるため、当院では遠方の方でも無理なく受診いただけるようにオンライン診療もとり入れております。
※初診時はご来院いただき問診や検査など行うため、2回目以降の受診で問診と処方のみの際にオンラインでも可能となります。
スポーツ障害
スポーツ障害は、運動による同じ負荷を繰り返すことで発生します。整形外科的な疲労骨折や腱の炎症などが有名ですが、内科的なダメージも蓄積され、病的な状態に至るまで進展することがあります。スポーツ障害はスポーツを中止すれば改善しますが、正しい診断と治療を行えばほとんどの場合でスポーツを継続することが可能です。下記疾患で当てはまるものがある場合は、外来にてご相談ください。
スポーツ貧血
スポーツ内科で最も頻繁に見られる症状の一つがスポーツ貧血です。この状態では全身への酸素供給が不足し、息切れやパフォーマンスの低下などが生じます。主な原因は鉄欠乏やエネルギー不足であり、ヘモグロビンやフェリチンなどの血液検査を行い診断します。治療には食事療法や鉄剤の内服が含まれます。どのスポーツ競技でも発生する可能性がありますが、特に長距離走や水泳競技などの有酸素性競技、バスケットボールやバレーボール、剣道などの足の裏に負担のかかる競技によるものが多く見られます。早期の発見と適切な対策により、貧血症状を改善し、最大酸素摂取量を向上させることが重要です。
スポーツ喘息
運動時に息切れ、咳、痰、喘鳴(ゼーゼー)などの喘息症状が現れる状態がスポーツ喘息と呼ばれます。特にアイスホッケー、クロスカントリースキー、スケートなどの寒冷・乾燥気候で行われる競技や、長距離走、自転車、サッカーなど屋外であり肺の換気が多い競技で発症しやすいです。
元々喘息と診断されていない場合でも運動時のみに発生することがあります。診断には詳細な問診と(運動負荷)肺機能検査などが行われ、喘息の有無やその重症度が判断されます。治療としては、運動開始前に気管支を拡張する薬を予防的に吸入することが有効です。通常の喘息とスポーツ喘息では症状の出るタイミングが異なるため、治療方法が異なってくる場合がありますので、運動時の喘息症状がよくならない方はスポーツ内科外来にご相談ください。
オーバートレーニング症候群
オーバートレーニング症候群は、長期間にわたる過剰なトレーニングが原因で徐々にパフォーマンスが低下し、慢性的な疲労感が生じる状態です。身体の疲れに加え、心の疲れやうつ病の症状が現れることもあり、容易には回復しづらい状態とされています。一つの病気ではなく様々な原因で生じる疾患群であり、症状は神経系、内分泌系、免疫系など多岐にわたり、診断が難しい疾患の一つです。
この症候群は早期発見治療が重要で、重症化してしまうと数か月以上の完全な休養が必要となり、その後も段階的に運動量を上げつつ、競技復帰していくアプローチがとられ、完全復帰まで長期間を要することになりますので、心当たりがある場合は早めの受診をお勧めします。
睡眠障害
スポーツを行う上で、睡眠による休養は非常に大切な要素です。睡眠が十分にとれない状態でスポーツを続けていると、免疫力が低下して感染症を起こしやすくなったり、自律神経に不調をきたし立ち眩みやめまいなどの症状をきたしたりします。夜寝つきが悪い、夜中目が覚めてしまいそのあと眠れない、などの自覚症状のある方はご相談ください。
また、海外遠征や海外出張などで、時差がある移動を伴う場合、時差ぼけによる睡眠障害をきたすことがあります。特に西→東への移動で生じやすくなりますが、内服薬による調整で症状を軽減できる場合があります。海外での大会参加がある方や、過去に時差ぼけで困ったことがある方はご相談ください。
疲労骨折・骨粗しょう症
相対的エネルギー不足
アスリートの無月経
「無月経」とは、生理が3か月以上訪れない状態を指し、これを放置すると骨の健康に悪影響が及びます。疲労骨折のリスクが高まり、最悪の場合、選手生命にも影響が出る可能性があります。主な原因はエネルギー不足であり、無月経、骨粗鬆症、有効エネルギー不足の組み合わせは女性アスリートの「3主徴」として知られています。これに対処するためには、適切な栄養やカロリー管理が必要であり、これによって治療や予防が可能です。
治療の基本は食事療法であり、エネルギー摂取量を増やすことが重要です。時には女性ホルモン剤治療を併用することもあります。適切な栄養と管理を日頃から行うことで、無月経による問題を予防し、選手の健康を保つことができます。
スポーツ総合診療
スポーツ内科では、スポーツに関連する内科的な問題に対し診察・相談対応を行っています。スポーツ行うことで生じるスポーツ障害、疾患を持ちながらスポーツを続ける(始める)場合の相談など、様々な状況に応じて診察を行います。スポーツ医学領域の内科では、整形外科以外のほぼすべての疾患を扱うため内容は多岐にわたり、循環器疾患、呼吸器疾患、貧血、内分泌疾患、皮膚科疾患、耳鼻科疾患など幅広く対応します。特に循環器疾患では冠動脈の狭窄や閉塞がリスクとなり、胸部の痛みや圧迫感が運動時に現れる場合は事前にメディカルチェックが推奨されます。また、スポーツ関連の呼吸器疾患や貧血、甲状腺疾患、特殊な環境下での疾患も包括的に診察し、栄養補給やドーピングに関する相談も受け付けています。お気軽にご相談ください。
代表的なスポーツ内科疾患
内分泌系疾患 |
甲状腺機能障害、糖尿病 |
代謝系 |
スポーツ貧血、脂質異常症、高尿酸血症、 |
消化器系 |
胃腸障害、運動中の腹痛、過敏性腸症候群 |
循環器系 |
不整脈、虚血性心疾患、心筋症、スポーツ心臓 |
呼吸器系 |
運動誘発性喘息、気管支喘息 |
心理系 |
心理系 うつ病、睡眠障害(不眠症、時差ぼけ) |
婦人科系 |
無月経、月経困難症、月経前症候群 |
高地トレーニング前後の血液検査
検査結果のフィードバックは、検査後3日以内に御希望によりメールにて(団体様は代表者宛)行います。
ご予約は個人での場合はWEB予約のスポーツ内科枠もしくはお電話で、団体はお電話にて問い合わせをお願いいたします。
検査内容は下記になり、肝障害や腎障害、貧血のほか、甲状腺機能障害や糖・蛋白・脂質・ミネラルの栄養摂取状況の確認、心臓や肺への負担などを知ることができます。
水泳日本代表合宿や日本体育大学のアスリートサポートでも行っていた内容になります。
費用
高地トレーニング前後の血液検査 |
個人:6,000円(税込み) |
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検査内容
白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、網状赤血球、総ビリルビン、総蛋白、アルブミン、トランスアミナーゼ(AST、ALT)、乳酸脱水素酵素(LDH)、クレアチンキナーゼ、尿酸、高比重リポたんぱく質(HDL-C)、低比重リポたんぱく質(LDL-C)、ナトリウム、カリウム、カルシウム、尿素窒素、クレアチニン、血清鉄、フェリチン、亜鉛、血糖、グリコアルブミン、甲状腺刺激ホルモン、甲状腺ホルモン、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド
*エリスロポエチンは別途1500円で追加可能です
よくあるご質問
費用はどれくらいかかりますか?
費用について、スポーツ内科の診療は症状の有無で異なります。症状のある方は代表的なスポーツ内科疾患に関しては保険診療が適用され、診療費は症状によって検査等が異なるため具体的な金額は事前に伝えることが難しいです。一方、症状がない場合でメディカルチェックを希望する方は保険診療の適用外となります。
どのような検査を行うのですか?
検査については、まず問診や身体診察を通じて悩みや症状を詳しく把握し、その後、一般的な血液検査や尿検査などを必要に応じて行います。また、必要に応じて専門的な各種検査も実施します。
どのくらい時間がかかりますか?
診察時間は症状や状態により異なりますが、一般的には30〜60分程度が目安です。ただし、混雑状況や必要な検査などによっては、時間がかかることがあります。
対象となるスポーツは?
当院では、すべてのスポーツ競技が対象となっています。学生では陸上中〜長距離選手が最も多く、水泳、水球、サッカー、ラグビーなどの競技も多く診察しています。一般の方に関しても、マラソンやトライアスロン、トレイルランニング、フットサルなど様々なスポーツを行っている方々が診察に訪れます。 当院では、特に対象年齢は定めておりません18歳未満の方の初診は保護者と一緒に受診していただくことをお勧めします。
他の病院にかかっていても診てもらえますか?
可能です。スポーツ内科の他に生活習慣病や高齢者医療も提供しており、持病を含めた総合的な診療が可能です。他の病院での治療を受けている方も、お気軽にご相談ください。